HDR撮影

2017年2月6日風景・街並み

HDR画像を作成するためのベースとなる素材写真の撮影について解説します。

Contents

HDRの被写体選び

HDRを始めると、街中を歩いている際の被写体への視線というのもが変化していきます。というのも、いろいろ加工していくと分かるのですが、HDR向きの 被写体というのがあり、自然とそういったものを探す習慣がついてしまうからです。HDR映えする被写体と言った方がいいでしょうか。HDRの恩恵を受けやすく相性の良い被写体といのが存在します。

HDR画像を作成するのに「動いてないもの」という条件を除いては特に制約となる条件は無いのですが、初めて挑戦する際は次の点に注目して被写体を探してみると良いかも知れません。

  • 静止している被写体
  • 明部と暗部が存在する構図
  • のっぺりとした部分の少ない、細やかな(ディテールのある、または雑多な)被写体

これらの条件を満たす被写体としてオススメなのが「鉄道」と「工場」「早朝or夕方の街並み」です。いずれも普通に撮影すると全領域で階調を出すのが難しい素材のためHDRの効果を発揮しやすいです。初めての挑戦ではこれらの素材でその効果を試されるとコツを掴みやすいと思います。

また逆にHDR・トーンマッピングが難しい被写体というのも存在します。もちろん技術を極めてこれを克服している強者HDRerというのもいるのですが、初めての挑戦ではオススメしません。

  • 人物
  • 食べ物
  • ボケ味のある写真

HDR撮影

HDR画像を生成するには全く同じ構図で複数枚撮影する必要があります(1枚のRAW画像から生成する方法や、1枚のJPEG画像から擬似的に作成する方法もありますがここでは基本的なマルチショットで説明します)。

枚数は最低3枚。最も明るいところと最も暗い部分の階調がでるように露光補正値の最大・最小を決めて撮影します。当然枚数が多いほど微妙な明るさの階調を出しやすいですが3~5枚程度でも十分HDR効果のある画像を作り出すことができます。

私の場合ですが、このサイトにある作品は全て、まず普通に撮影するのに最適な露光補正をし、その±2.0EVの計3枚、もしくは±1.7EVの計3枚で撮影しています。

そして最も重要なポイントは複数枚の写真をズレずに撮ること。手ぶれ・被写体ぶれが厳禁なのは当然ですが、複数枚撮影している間に被写体が動いてしまうのもアウトです。構図全体が微妙にズレるのはPhotomatixが多少補正してくれますが、被写体が動いてしまったのを補正するのは大変な作業になります。

では、実際に露光を変えてマルチショットした写真を見てみましょう。

HDR base 3shot

これは筑波サーキットのパドック上にある観覧席から、三脚を使用して撮影した写真です。左の写真で白トビしている空と、右の写真でつぶれ気味のメインスタンドの屋根の裏側をHDRで表現しようとして撮影しました。

レース中のバイクが1台フレームインしてしまうというミスをしてますが、こういう被写体はHDRとの相性がよいです。また、3枚撮影している間に雲が動いてしまうといけないので、カメラのオートブラケット機能を使用して間髪入れずに3枚を撮影しています。

次のページではこの3枚の素材を使用してHDR画像を作成する手順について解説します。


HDRの作り方

  1. HDRの作り方トップ
  2. HDRの作成に必要な機材とソフトウェア
  3. HDR撮影
  4. HDR合成処理 Photomatix Pro 4.2の使い方
  5. Photomatix パラメータ解説
  6. Photoshopによる後処理と仕上げ
  7. 作り方解説.番外編 「Topaz Adjustで作るアート系HDR」
  8. HDRを作ってみよう!~サンプル素材とチュートリアル