Photomatixパラメータ解説

2017年2月6日

Contents

トーンマッピング

次に、色々なパラメータをいじくって画像を調整できる「トーンマッピング」の画面について解説します。
色の強さや明るさ、ディテールの強調具合を調整できますので、プレビューを見ながら、レバーを手探りでいじって最適な設定値を探ります。

このトーンマッピングがHDR作成一番の楽しみ。パラメータの合わせ方によって作り手の個性がモロに作品へと反映され、誰でも手軽にアーティスト気分を味わうことができます。 この後の仕上げ処理をPhotoshop で行う場合は、トーンマッピングで彩度の味付けを薄めに(Color Starurationを低めに)しておくのがポイント。いろいろいじってみて自分好みの味付けをマスターして下さい。

Photomatix Pro 4 パラメータ解説と個人的なオススメ値

  • 処理 / Process
    Tonemappingを選択。
  • 方式 / Method
    Details Enhancerを選択。
    個人的によくやる裏技だが、空の色を美しくしたい時に別工程で空だけTone Compressorで生成することしばしば。
  • 強さ / Strength
    コントラスト増幅パラメータ。0に近いほど自然な雰囲気に。100に近いほど非現実感あふれる絵画的雰囲気に。非現実感を楽しむため、このパラメータは100に近いこと多し。
  • 彩度 / Color Saturation
    色の強さ。HDR始めて最初にぶつかる壁がココ。ついつい高めにしてしまいがちで、その結果色がバーストししまったり赤が目立ちまくるというという壁にぶち当たる。ここは30~50ぐらいに抑えておき、PhotoshopやTopazAdjustで色を増幅するのがポイント。
  • 光度 / Lumiosity
    光度。明るさ調整の効き具合を拡張させる。右に動かすと暗部が持ち上がり、全体が明るくなる。
    暗部の締めはBlack Pointで調整するのでLumiosityは最大にしておく。
  • 細部コントラスト / Microcontrast
    ディテールをどこまで強調するかを指定するためのパラーメタ。これも右に動かすほど画にメリハリがでるので、基本的には最大がおすすめ。
  • スムージング / Smoothing
    コントラストのばらつきを補正。簡易モード(Lightmode)にチェックをし、低 / 中 / 高 (Low / Mid / High) 辺りで明るさのバランスが最も良いポジションを選択。
    またはLowとMaxで2枚HDR画像を生成し、後のPhotoshop処理でいいとこ取りするのがおすすめ。
  • 白色点-黒色点 / White Point・Black Point
    トーンマップする明るさの下限と上限を調整するバー。これを右にスライドすると、白トビ・黒つぶれが復活。当然ダイナミックレンジが下がことになるが、個人的にはダイナミックレンジの広さよりも最終的な印象の良さを優先させるので、画全体の明るさを調整するために遠慮無しでスライド(笑)。最もシビアに調整するパラメータの1つ。
  • ガンマ / Gamma
    トーンの中間を調整。画全体を明るくしたり暗くしたりする。White Point・Black Pointで調整したほうが作品としてのクオリティが上がるので、未だ±0から移動したこと無しのパラメータ。
  • 色温度 / Temperature
    左へ行くほど青っぽくなり、右へ行くほど黄色かかったテイストになる。これも画全体の雰囲気に大きく影響するので、その時の気分でかなりいじる。左にずらして早朝。右にずらして夕景のパラメ。
  • ハイライト部の彩度 / Saturation Highlights
    明部の彩度調整。最近Color Saturationを抑えて、このパラメータで明部だけ少し色を残すのがマイブーム。
  • シャドウ部の彩度 / Saturation Shadows
    暗部の彩度調整。こちらは±0のこと多し。
  • マイクロスムージング / Micro-smoothing
    HDR画像の印象に大きく影響するパラメータ。最左が望ましいが、ノイズが酷い場合は要調整。公式マニュアルにも「空のノイズ低減にどうぞ」となっている。
    ディテールを滑らかにする=>つまり劇画っぽさを犠牲にして強調されてしまったノイズを滑らかにする。
    でもやっぱり劇画タッチを望むなら基本0がおすすめ。
  • ハイライト部スムーズ / Highlights Smoothness
    明部のスムース化調整。個人的には空のノイズ対策はこれで行う。プライドにかけてこのパラメを0固定でHDRする男気あふれるHDRerも多いらしいが、自分はこのパラメを中央(5.0)より右にすることを躊躇しない。
  • シャドウ部スムーズ / Shadows Smoothness
    暗部のスムース化調整。暗部が大半を占める素材というのが滅多ないのでこのパラメータは専ら0付近。
  • シャドウ付加 / Shadows Clipping
    公式マニュアル曰く「暗部のノイズを消す」のに有効なパラメータ。しかし実際は黒く潰してるような感じ。なので基本的には封印。

最後に左下にある「処理を実行(Process)」ボタンを押し、[ファイル] – [名前を付けて保存] ([File] – [Save As])でJPEGに書き出して完成。 スタンド屋根裏の黒潰れや空の白トビのないHDR写真に合成されました。


HDRの作り方

  1. HDRの作り方トップ
  2. HDRの作成に必要な機材とソフトウェア
  3. HDR撮影
  4. HDR合成処理 Photomatix Pro 4.2の使い方
  5. Photomatix パラメータ解説
  6. Photoshopによる後処理と仕上げ
  7. 作り方解説.番外編 「Topaz Adjustで作るアート系HDR」
  8. HDRを作ってみよう!~サンプル素材とチュートリアル